亜鉛は、髪の毛の健康維持に重要な役割を果たす栄養素です。

今回の記事では、

  • 亜鉛の基本情報
  • 不足や過剰摂取による影響
  • 亜鉛を多く含む食材
  • 髪への効果
  • 相性の良い栄養素

について解説します。

亜鉛とは

亜鉛は、体内に約2g存在する必須ミネラルです。

亜鉛の吸収と排泄

主に小腸で吸収されます。

便や尿によって排泄されます。

亜鉛のはたらき

  • タンパク質の合成
  • DNAの合成
  • 細胞分裂
  • 免疫機能
  • 味覚
  • 皮膚や粘膜の健康維持

にも関わります。

酵素の構成成分・活性化

亜鉛は、約200種類の酵素の構成成分または活性化に関与しており、以下の重要な代謝に関与します。

  • 炭水化物代謝:
    • インスリンの合成・分泌を促進
    • 糖の分解・吸収を促進
  • 脂質代謝:
    • 脂質の分解・吸収を促進
    • コレステロール値の調節
  • タンパク質代謝:
    • タンパク質の合成を促進
    • 筋肉の成長・修復
  • DNA合成:
    • 細胞分裂・増殖
    • 遺伝情報の伝達
  • 免疫機能:
    • 免疫細胞の働きを活性化
    • 感染防御
  • 細胞分裂:
    • 細胞の成長・増殖
    • 組織の修復
  • 味覚:
    • 味蕾細胞の機能維持
    • 味を感じる
  • 皮膚や粘膜の健康維持:
    • 皮膚や粘膜の細胞の増殖・修復
    • バリア機能の維持

ホルモンの合成・分泌

亜鉛は、インスリン、テストステロン、成長ホルモンなど、様々なホルモンの合成・分泌に関与しています。

  • インスリン:血糖値を調節
  • テストステロン:男性ホルモン
    • 性機能
    • 筋肉量
  • 成長ホルモン:
    • 成長
    • 細胞の修復

3. 抗酸化作用

亜鉛は、活性酸素を除去し、細胞のダメージを抑制する抗酸化作用を持ちます。

  • 活性酸素:
    • 老化の原因
    • 生活習慣病の原因

遺伝子発現の調節

亜鉛は、遺伝子の発現を制御する役割も担っています。

  • 遺伝子発現:
    • タンパク質の合成
    • 細胞の機能

5. 細胞膜の安定化

亜鉛は、細胞膜の構造を維持する役割も担っています。

  • 細胞膜:
    • 細胞内外の物質の出入りを制御
    • 細胞の形態維持

亜鉛の1日の摂取量目安

  • 男性:10mg
  • 女性:8mg

亜鉛が不足するとどうなる?

  • 脱毛
  • 肌荒れ
  • 免疫力低下
  • 味覚障害
  • 成長障害

等の症状が出てくる可能性があります。

成長障害

  • 特に子供に関係します。
  • 身長や体重の伸びが遅い
  • 発達が遅い

などの変化がみられることがあります。

脱毛

  • 髪の毛の成長に必要なタンパク質合成が阻害
  • 薄毛
  • 抜け毛

に関係します。

肌荒れ

  • 皮膚の細胞分裂や新陳代謝が阻害
  • ニキビ
  • 乾燥
  • 傷が治りにくい

免疫力低下

  • 免疫細胞の働きが低下
  • 風邪や感染症にかかりやすい
  • 治癒が遅い

味覚障害

  • 味蕾細胞の機能が低下
  • 味を感じにくい
  • 味覚がおかしい

貧血

  • 赤血球の合成に必要なタンパク質合成が阻害
  • 顔色が悪い
  • 疲れやすい
  • 動悸息切れ

性機能低下

  • 男性:テストステロンの分泌量が減少
  • 女性:月経異常
  • 性欲減退

不妊

  • 男性:精子の質が低下
  • 女性:卵子の質が低下

その他

  • 集中力低下
  • うつ状態
  • 記憶力低下
  • 白内障
  • 味覚障害
  • 下痢
  • 夜盲症

亜鉛不足は、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。

亜鉛を多く含む食品を積極的に摂取し、健康な生活を送ることが大切です。

亜鉛の過剰摂取による影響

  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 腹痛
  • 下痢
  • 貧血

などがあります。

亜鉛を多く含む食べ物

  • 牡蠣
  • 牛肉
  • レバー
  • チーズ
  • ナッツ類
  • 全粒穀物
  • 緑黄色野菜

可食部100gあたりの亜鉛含有量(mg)

食品名亜鉛含有量食品名亜鉛含有量
牡蠣(養殖、生)14.5カシューナッツ5.5
牡蠣(養殖、水煮)12.5アーモンド4.8
牡蠣(缶詰、油漬)25.4チーズ3.4
牛肉(レバー)6.9豚肉(ヒレ)3.2
牛肉(ランプ)4.8鶏肉(胸肉)2.2
ヨーグルト3.4全粒粉パン3.0
カニ(缶詰)3.2玄米3.0
チーズ(プロセス)3.1ピーナッツ2.8
納豆2.9えび2.7
いわし2.6ごま2.4
かつお2.5ひじき2.4
たこ2.4ほうれん草1.0
レンズ豆2.3きのこ類1.0-2.0
カカオマス2.2緑黄色野菜0.5-1.5

参考資料

亜鉛が髪に良い根拠

  • タンパク質合成を促進し、髪の毛の成長を助けます。
  • 5αリダクターゼの働きを抑制し、DHTの生成を抑制します。
  • 皮脂の分泌を抑制し、頭皮環境を整えます。

亜鉛と相性の良い栄養素

  • ビタミンB6:亜鉛の吸収を促進する
  • ビタミンC:抗酸化作用があり、頭皮の血行を促進する
  • たんぱく質:髪の毛の主要な構成要素